商号(トレードネーム)
商号(トレードネーム)とは?
商号とは、事業の正式な法的名称を用いずに、事業で一般的に使用される名称のことです。通常は州政府機関に登録され、「doing business as(DBA、屋号)」と呼ばれることが多いものの、商業目的で使用される「略称」としての事業名です。州政府は、商標に認められるような将来に向けた権利を伴う商号を企業に付与するわけではありません。商号は、その企業の商品を他社の商品と識別・区別する商標として機能している場合にのみ保護されます。
商号の登録
商号を登録する手続は州によって異なりますが、商号の登録は、州政府の承認を得るための複雑な手続を伴うものではありません。出願者は、登録したい名称を申請書に記載し、処理手数料および登録料を支払うだけです。すでに登録されている商号について登録を拒否する以外、州の機関によるいわゆる「クリアランス(事前調査)」は一般的に行われません。
商号と商標の違いは何ですか?
商号は、「ABC Inc.」(法的名称)ではなく「ABC」(商号)のように、法的名称以外で事業を識別するための「略称」です。商号は、商標と同様に企業の製品やサービスを識別するために使用されることもありますが、商標としての保護を受けるためには、商標として使用される商号が商標として保護されていなければなりません。以前の商標に関する記事で述べたように、商標法は、識別力のある名称、ロゴ、その他のマーケティング手段に最も手厚い保護を与えます。識別力の高い順に、標章は次の4つに分類されます。すなわち、(1)恣意的・創造的(arbitrary and fanciful)、(2)暗示的(suggestive)、(3)記述的(descriptive)、(4)普通名称的(generic)です。企業は、登録した商号があらゆる事業目的での使用権を与え、法的に完全に保護されると想定すべきではありません。
商号の侵害
ある企業の商号が他社の商号を侵害しているか否かを判断する基準は、商標侵害の判断基準と同様に、その使用が関連する需要者の間に混同・誤認・欺瞞を生じさせるおそれがあるか否かです。したがって、企業の商号が他社の登録商標と十分に類似している場合には、その紛らわしい商号について「混同のおそれ」の基準が適用され、商号が商標を侵害することがあり得ます。商号の不正使用は、連邦および州の不正競争防止法や消費者保護法に基づく責任を企業に生じさせる可能性もあります。
商号の登録は複雑な手続ではありませんが、企業は商号の選定に注意を払うべきです。商号が他社の商標を侵害している場合、その侵害名称を使用している企業は、最終的に名称を変更せざるを得なくなり、商標権者による商標侵害訴訟に応訴し損害賠償を支払うことに加えて、信用回復のための広告費など追加のコストを負担することになりかねません。言い換えれば、企業は商標を創出する場合と同様の注意をもって商号の採用に臨むべきです。